不同意性交罪
強制性交罪(旧強姦罪)は、被害者となった方の性的自由権や人格権を侵害し、その心身に大きな傷を残す非常に重い犯罪です。
もし犯人として疑いをかけられ、逮捕・起訴された場合には厳罰に処せられる可能性もあります。
強制性交罪に該当する行為とは
強制性交罪については、刑法177条に規定があります。
第177条
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。
つまり、相手に暴行を加え、または脅した上で、性交や肛門性交(アナルセックス)、口腔性交(オーラルセックス)を行った場合に犯罪が成立することになります。
また、被害者が13歳未満の場合は、たとえ相手の同意があったような場合でも罪に問われます。
強制性交罪の「性交等」は、旧強姦罪の「姦淫」とは違い、「男性器を女性に挿入する」場合に限定されません。
したがって、男性が女性をレイプする場合を念頭に置いた旧強姦罪とは違い、加害者・被害者の性別が限定されない点が特徴です。
男性同士、女性同士、あるいは女性が加害者で男性が被害者といった組み合わせでも犯罪が成立します。
なお、相手を泥酔させたり、睡眠薬を飲ませたりして抵抗不能な状態にし、性交等を行った場合には準強制性交罪(刑法178条2項)
強制性交罪の法定刑
強制性交罪および準強制性交罪の法定刑は5年以上20年以下の有期懲役です。
また、行為の際に相手にケガをさせてしまったケースや、結果的に相手の生命を奪ってしまったケースでは、さらに刑が重くなります(刑法181条2項)。
この場合の法定刑は無期、または6年以上の懲役です。
このように、強制性交罪では非常に重い法定刑が定められています。
最低でも5年以上の懲役刑となっているため、未遂などで減刑されない限りは執行猶予もつきません(刑法25条)。
したがって、逮捕・起訴された場合はほぼ確実に実刑判決を受けることになります。
強制性交罪で逮捕されるとどうなるのか
強制性交罪は非常に重い罪です。
嫌疑をかけられた場合は逮捕され、最大23日間身柄を拘束されて厳しい取調べを受けることになります。
そして、取調べ中に検察が起訴相当と判断すれば、刑事裁判にかけられます。
さらに、刑事処分の他、社会的非難が強い犯罪であることから、社会的制裁を受ける可能性も否定できません。
被疑者として実名報道され、職を失うリスクなどもあります。
強制性交罪の疑いをかけられたときに弁護士にできること
強制性交罪の疑いをかけられた場合は、弁護士のアドバイスを受けることをおすすめします。
もし該当するような行為をやってしまったような場合でも、本人が深く反省し、弁護士が被害者と示談交渉を行うことで、最終的な量刑が軽くなる可能性があります。
また、冤罪の疑いがある場合は、不起訴処分などを目指して弁護活動を行い、被疑者となった方の人権を守ります。
逮捕から起訴決定までにはあまり時間がありません。
一刻も早く弁護活動を開始するためにも、早めに弁護士にご相談ください。