不同意わいせつ罪
痴漢行為などで逮捕された場合、強制わいせつに問われる可能性があります。
強制わいせつは有罪になると懲役刑となる可能性がある重い犯罪です。
それでは、もし強制わいせつの疑いをかけられてしまった場合、どのように対処すればよいのでしょうか。
強制わいせつの概要や検挙された時の対処法などについて解説します。
強制わいせつとは
強制わいせつ(刑法176条)は、13歳以上の男女に対して暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした場合、もしくは13歳未満の男女に対してわいせつな行為をした場合に成立する犯罪です(刑法176条)。
被害者が13歳以上の場合は無理やりわいせつ行為をした場合に、強制わいせつが成立します。
一方、被害者が13歳以下の場合は、たとえ被害者の同意があったとしても、わいせつな行為をした時点で強制わいせつに問われる可能性があります。
強制わいせつの法定刑は6ヶ月以上10年以下の懲役であり、罰金刑はありません。
つまり、逮捕・起訴されて有罪が確定した場合には、刑務所に行かなければならなくなる可能性があります。
なお、お酒や睡眠薬を飲ませるなどして、被害者を抵抗不能な状態にし、わいせつな行為をした場合は、準強制わいせつ(178条1項)が成立します。
準強制わいせつの法定刑は、強制わいせつと同じです。
強制わいせつに該当する行為
強制わいせつにあたる行為としては、胸や陰部を触る行為や、無理やりキスをする行為などが挙げられます。
また、痴漢についても、下着の中に手を入れるといった悪質なものについては強制わいせつに問われる可能性があります。
強制わいせつで逮捕されるとどうなるのか
強制わいせつは重罪であり、被疑者となった場合は逮捕・勾留される可能性も高いといえます。
その場合、最大で23日間身柄を拘束される可能性があるため、日常生活に大きな不利益が出る可能性があることも否定できません。
また、強制わいせつは被害者の告訴がなくても起訴できる非親告罪です。
したがって、警察に検挙された場合は起訴され、刑事裁判にかけられるおそれも十分考えられます。
強制わいせつの疑いをかけられたら弁護士に相談を
もし強制わいせつにあたる行為をしてしまった場合、1日も被害者の方に早く謝罪をし、示談交渉を行うことが大切です。
誠意のある対応を行うことで、刑が軽くなる、あるいは不起訴処分になる可能性があります。
ただ、被害者は肉体的・精神的に大きな苦痛を受けているため、加害者や加害者の家族が直接話し合うのは困難です。
示談をスムーズに進めるためにも、弁護士に示談交渉を依頼することをおすすめします。
また、無罪を主張したい場合も、厳しい取り調べや裁判を戦い抜くためには弁護士のサポートが不可欠といえます。
刑事事件は時間との戦いであり、初期対応が遅れると今後の弁護活動が難しくなってしまいます。
強制わいせつで検挙されそうになったら、一刻も早く弁護士にご相談ください。